ヒサイチ

改札に着いてヒサイチがやって来る少しの間、私は信じられないくらい自分の気持ちが高ぶっているのを感じた。


自分で自分のことを、どうしたのだろう?と心配するほどに。


改札を出てきたヒサイチと目が合うと、彼は黙って片手を上げた。


スーツ姿のヒサイチは、この間会った時とは全く印象が違った。


すっきりとしている。


その様子に私はまた少し興奮してしまった。


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