ヒサイチ

「馬鹿か、お前。グループ研究で一緒になった時、自分は何にもアイディア出さないくせに、俺が気使っていろいろ言ったのを、気に入らないからって全部却下しただろ。いやーな顔して。男だったらお前、俺にぶん殴られてたぞ」


グループ研究?

そういえば、薄っすらと覚えがある。馬鹿なヒサイチの言う通りなんかにしたらまとまるものもまとまらない、一生課題なんて仕上がらないと思ったような覚えはある。


「なんだ、ヒサイチも私のこと嫌いだったんだ」


私はうっかり心の中で呼んでいたように、呼び捨てにしてしまった。


しかしそんな事には全く気にしない様子でヒサイチは話を続けた。

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