ヒサイチ
私はその場で会社に電話しようとしたが、ヒサイチの視線に気が付くと、無償に恥ずかしさが込み上げて、慌ててファミレスの外に出た。
それでもヒサイチの私を観察するような、冷ややかな視線が窓越しに追って来ているような気がした。
「出勤しようと近くまで来ていたんですが、ちょっと貧血を起こして倒れてしまって、いや、大したことはないのですが、はい、意識がなくなったわけではないので・・・ええ、転んだと言うか・・・車で通りかかった人が助けてくれて、今家に送ってもらっている途中でして・・・はい、なので今日は・・・」