ヒサイチ
「えっ?」
私はちゃんと聞こえたのに、あまりにぶっきらぼうな質問に思わず聞き返してしまった。
「男と」
ヒサイチは言った。
そう沢山答えがあるわけではないのに、どんな風に答えようか迷っってしまう。
「うーん、彼に私よりいいと思う人が出来てしまったから・・・かな」
「ふーん」
愛想のない相鎚。
ヒサイチはもう一つおにぎりを食べ終えて次のおにぎりに手を付けた。
どうせ聞くならもう少し真剣に聞いて欲しいような気がした。