ぬくもり
次の日もその次の日もあなたを待った


二回の不倫騒動で更に会話をなくしたあたしと旦那

朝、旦那を送り出してから彼を待つ

抱えなきゃならないたくさんの痛みを放棄して彼を迎える



待ちわびて交わすキスはだんだん深くなって、もう止められないところまできてた



無邪気に遊ぶ子供
まだ鳴くセミの声


平凡な日常の中に、あたしとあなただけの空間ができて、まるでそこだけ切り取られたみたいに不自然だった



コノママジャイケナイ―――

コノママオチテイキタイ―――



ぬくもりを手放すことをやめられなかったあなたとあたし


背負うのは

同じ罪の十字架





< 93 / 135 >

この作品をシェア

pagetop