もう一つの【ゴル裏】〜いつかの公園のベンチで〜

(´・ω・`)
(しぃちゃん、胸が当たってますよ・・)

そしてゴール裏からは【トリニータオーレ】が聞こえ出し、サポーター達は立ち上がると、タオルマフラーを掲げる。勝利を確信した者達が試合終了の時を待っていた。

ロスタイムは3分。

(・∀(・∀(・∀(・∀・)
トリニータオーレ
トリニータオーレ
トリニータオーレ
トリニータオ、オーレ

僕としぃちゃんもタオルマフラーの両端をそれぞれ持ち、掲げる。



−そして試合終了のホイッスルが長く吹かれた――。



場内は割れんばかりの拍手、拍手、拍手。
トリニータオーレがテンポ良く鳴り響いてた。

(*^^)
「よし!いこっ!」

急にしぃちゃんが立ち上がり僕を促す。

(´・ω・`)
「どこに行くんですか?」

(*^^)
「もー、ゴール裏!早くいこ!」

ピッチ内では戦いを終えた選手達が整列している。
僕はしぃちゃんに手を取られ、階段を登りながらゴール裏を見ていた。

(´・ω・`)
(あそこに行くのか・・)

ゴール裏では勝利を手にした戦士達を迎えるべく、みんな立ち上がっていた。

しぃちゃんは僕の手を握ったままズンズンとゴール裏を目指して歩いて行く。

(´・ω・`)
(そんなに強く握らなくても逃げませんよ・・)

すれ違う観客達の顔は笑顔で輝いていた。
僕自身二度目の観戦で勝利の瞬間を目の当たりにし少し興奮気味だった。
しぃちゃんの気持ちは僕のそれ以上だろう。




そしてゴール裏に着いた。



ラララーラ、ララララーラ・・

(´・ω・`)
(これは日曜日よりの使者?)

「一緒に戦おうぜ 誇りと夢を抱いて 僕等は僕達は 大分トリニータ」

(´・ω・`)
(へー、勝利の歌なんかな?)

ゴール真裏の1番高い所に僕としぃちゃんは立ったまま選手達が整列しているのを見ていた。

「必ず勝利する最高のチームなんだ 最強で最愛の 大分トリニータ」

横に並んでいるしぃちゃんはと言うと、試合中には抑えていただろうと思える程の大きな声で一緒に歌っていた。

全身を使ってピョンピョンと飛び跳ねながら――。

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