いじめ
「あー俺たち、もう止めたんだわ。
 その、いじめ。」


彩ちゃんをからかった男子が
そう言って素直に驚いた。


「え?」


「だって、せんせに見つかったら
 成績落ちるも~ん。
 しかも、石邨ウザいし?」


愛美ちゃんがウザい…か…。


おどけた言い草だった。
私は彩ちゃんに抱き着いて
わんわんと泣きたい気分。


それくらい嬉しかったから。


「…美羽ちゃん、彩ちゃん、ごめん…。
 私、ただ見てた…。
 止める勇気なくて…。」


「桃子ちゃん…。」


学級委員の桃子ちゃんが言った。


私だって、そんな勇気前まで
なかったと思う。


だけど、私、今なら止められる。


自分自身、体験したから。
1回、消えたいって思ったし、
1回、死のうか…って頭の
隅にチラッと浮かんだ。


でも、彩ちゃんからのメールで
彩ちゃんだって頑張ってるんだって
思って、プラス思考に考えることが
出来たんだ。


友達って大切。


「マジ…ごめん…。」


誰が初めに言ったのかわからない。
けどそれから謝罪の言葉を
たくさん受けた。
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