秘密にし・て・ね(前編)
リビングに戻った佳奈は何もすることがなくただ、部屋をうろうろしていた。
このリビングだけでもしかしたら私の部屋すっぽり入りそう・・・・。
こんなところに住めるなんて・・・。やっぱり私とは住む世界が違うのかな・・・・。
なんとなく悲観した佳奈だったが、先程から窓の一部が開いているらしくカーテンが僅かにはためいていた。近くに行って窓の外を見ると、夜とは違った景色が目に飛び込んできた。
≪やだ・・ここ夜とはまた違った風景が広がっているのね≫
夜の夜景もすごく感動したけどそれとは違った感動を覚えた。
恐る恐る外に出てみた。心地いい風が佳奈を包み込んでいた。窓の外に出るとそこは広い空間になっており、そこでちょっとしたバーベキューでも出来そうな広さがあった。
かわいらしい洋風のテーブルとベンチが置いてあり気持ちのよい風に包まれながら佳奈はそっといすに腰掛けた。
部屋からは鼻腔をくすぐるいい香りが漂ってきた。