REAL gray
1ヶ月後。おっちゃんの態度が変わり始めた。


何となく素っ気なく、会話も長くは続かなかった。
そろそろ潮時かな?
なんて思ったら案の定。



「ごめん、別れよう」

「……うん。言ってくれるの、待ってた」



別に待ってたわけではなかった。自分から別れを切り出すのが嫌だったわけでもなかった。

何となく感じていた冷たい態度が、自分の気のせいだと思いたかった。



フラれた理由は訊かなかった。
元カノ関連だと薄々気付いていたし、面倒に思われるのも私が面倒だ。




「もっといい恋いっぱいして、いい女になれ」

「見た目9割のアンタに、私の良さが分かるまい」



なにより、理由を訊いたら泣いてしまいそうだった。





――クリスマス近付く、12月の事だった。
< 3 / 32 >

この作品をシェア

pagetop