あかねいろ

ちょっと意味が分からない


『どゆうことよ、それ?』

『俺、独りで住んでるんだけど、ある人との約束でさ。とりあえず絶対高校には入れって。それからはなってから考えればいいけどって話しでさ。』

初対面には謎だらけのセリフである。




『入学すればいいって、卒業しなくちゃ、入った意味なくないの?』

間違いないはずの素朴な疑問を言ったが、彼の返事を聞く前に


〜♪〜♪〜♪〜


大斗の携帯が鳴った。

普通の電子音だった。


てっきり流行りの曲な気がしたのになぁ。


『あぁうん。今?ファミレス。チャリとっただけで行かなかった。すみません…なんてーあはは。あー後でまた電話する。バイバイ』

話しながらとても優しい顔をしている…


短い会話、通話が切れる。

『今の彼女でしょ?なんか嬉しそうに話してたね?』


さすがに女の子、興味がある様子。


『そう?別に彼女ではないけどね。』


サラリと返されてしまった。


『じゃぁ、好きな人?』


続けて聞くと、彼は優しく笑った…。


その中にはどんな想いが有るのだろう?


< 10 / 469 >

この作品をシェア

pagetop