あかねいろ

あの頃

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――――――


咲達は校庭が見える奥の手すりに立っていた。


夕陽達は2人の側の少し影になるところに座る。

『ねぇ?大斗っこれって盗み聞きってヤツ??』

コソコソ夕陽は問いかける。

『そうだけど、しょうがねぇだろ。咲が黙って学校来たのが悪いんだ』

大斗は全く悪気なく答える。

『もーっなんなの?!拓ちゃんと咲さんが知り合いなんて、世間は狭すぎるわっ』

夕陽の嘆きに大斗は「よく聞け、しぃー」と彼女を征した。


『拓巳ぃ久しぶりー♪』

拓巳に話かける咲の声が聞こえた。

『ったく、こんな所で咲に会うなんて…お前夕陽と神崎大斗と知り合いなわけ?』

拓巳が煙草を点けるライターの音が聞こえる。

『大斗はもう4年くらいの付き合いよ。夕陽ちゃんは大斗に紹介されて♪』

咲は明るく答える。

『あぁそう…。じゃあ、俺達が会ったの何年ぶりだ?』

『えっとぉ、中3以来だから5年ぶりくらい?6年かな?』

咲は指で数えながら言った。

『世間は狭いなぁ…』

「ねっ♪」と咲も煙草を点ける。

『マジで焦るよこの学校』

拓巳は大きなため息と共に言う。

『まさか、夕陽ちゃんと拓巳が付き合ってたなんてね。大斗伝えだけど、ちょっと聞いたよ2人の事。拓巳は相変わらず駄目なヤツね』

咲はクスッと小さく笑う。

『本当…。こうして夕陽に偶然にも再会したら、俺マジでビックリしたけど、嬉しかったんだ。…でもフラれちゃったけどね…』

拓巳はハハッと苦笑いして言った。


『ふ、ふ、ふったって、振ったの?あたし??』

夕陽はそれを聞いて自分を指さし慌てている。

『うるせぇ。聞こえねぇだろ?!』

大斗はすかさず夕陽を黙らせた。



『当たり前よ。拓巳なんかに夕陽ちゃんはもったいないわ♪』

咲はいたずら顔で笑う。

『全く…その通りだ…』

それに拓巳は答える。

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