あかねいろ
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拓巳の最後の授業を控えたお昼休み、夕陽と杏と南深は中庭の片隅でお弁当を広げていた。

『実はね…今さらなんだけど…』


その日、夕陽は初めて2人に拓巳との事を話した。

昔付き合っていた事、別れた理由、再会して話せたことを。

大斗に話したように…しかし、あの時みたいに取り乱したりせず、穏やかに話せた。


『ずっと言えなくてゴメンね…』

気まずそうに笑う夕陽に

『頑張ったねぇ』

杏が夕陽の頭をポンポン撫でてくれる。


『ひぃちゃん、話してくれてありがとう』

南深も声をかけてくれる。


『もうもっと早く言ってよねぇー?さすがのあたしもここまでは見抜けなかったよぉ…っ』


明るく落胆して杏は夕陽をこずく。



『なんかね、あんなに思い悩んでたけど、今はすごく穏やかに拓ちゃんと話せるんだ。』


2人は優しく笑う。


『じゃぁ拓ちゃん先生の最後の授業に行きますか?!』

杏が勢いよく立ち上がり、南深もそれに続く

『ひぃちゃん、行こぉ♪』

と夕陽の手を引いて立ち上がらせてくれた。


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拓巳の最後の授業…

少しセンチメンタルになる夕陽…

『イタッ!』

コツンと後ろから消ゴムが飛んできた。

振り返ると大斗が「バーカ」と口パク。


夕陽は消ゴムを拾って大斗に投げ返そうと振りかぶるが…

『おーい?!夕陽ちゃん?涙涙の俺のラスト授業に何をしてるかな?』


げっ!拓ちゃんにバレたっ


夕陽は焦って無言で大斗を「アイツのせいだー」っと指差す。
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