あかねいろ
――――――


あたし…今、大斗に何て言われた?


俺が無理やり?風呂入れる?

抱く?


はい?


いやいやいやぁ…

まさかね…


つい勢いで言ったって言ってたし…

大斗なりの気づかい?


そんなの、嫌な気づかいだし…

酷い言い方…


どういうつもりよ…?

まさか、本気…?


いや。ないない…

対あたしだし…


・・・


でも…


クリスマスの日…



違う違う!!

ないない。



夕陽はタオルを抱いたまま真っ赤になって立ち尽くして居たが、身体が冷えきっている事は変わらない。
 
『ハックションッ!!』


寒っ。

今までだって大斗の事は気にするだけ無駄だった。


アイツは誰とでもヤれそうだし…

実際そうだろうし…


向こうは何にも意識なんてあるはずない。

あたしが意識するだけ損!!

もうお風呂入る!!

大斗の事は考えない。


だって…


なんか…


なんだか自分が惨めになってしまう気がする…



それに…



少し…



咲さんが過る…


はあぁ…



夕陽はヨタヨタお風呂場に向かった。


―――――


大斗はコンビニでボーッとしながら、おでんや温かい飲み物等を買う。


やっぱり俺変だ。

なんか、ただならぬ覚悟をしなくちゃいけない気がする。


『肉まん2つ…あー1個ピザまんで』


あいつピザまん好きだったよなぁ…


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