あかねいろ
――――――


大斗はボケーッと家の前に戻って来た。


ところで…

「風呂入れ」とか言ったけど…


風呂上がりなんて考えたら…


…!!


俺全然頭冷えてねぇ!!


…・・・


でも肉まん冷めるし…



よし。耐え抜け俺!!


大斗はドアの前で深呼吸をした。


『ただいまー』


って…


『寝てるし…』


って…


『マジ…』


夕陽は、いつかのようにベットサイドに腕を枕に眠っていた。

しかし隣に制服は畳まれて置いてあり、彼女は大斗のスエットを着ていたのだ。



やめてくれよ…

ッーっ!!!


バッ!!!


大斗はどうしようもなくなって、気付いた時には眠る夕陽を抱き上げていた。


身体と頭ん中がバラバラだ。

いや…

ある意味想いに従順だ。


夕陽にもっと触りたい。


俺は無意識に夕陽をベッドに寝かせていた。


何を上に被さってるっ俺!!


止まれ!!俺!!


寝込みを襲う気か?俺の身体はっ!!

ヤバイぞ…!!


大斗はゆっくりと夕陽の顔に自分の顔を近づける。


駄目だ…っ!!

我慢できない・・・ッ




『うぅーん・・・っ』


すると、幸い夕陽が寝惚けて小さく声を上げた。


やばッ!!


俺は我に還って身体を起こすことが出来た。


た…助かった。


このまま同じ部屋に居たら…


確実に…

おかしくなる…!!


前は、なんで並んで寝れたんだ俺!!


もう、こうなったら…

脱出しよう!!



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