あかねいろ
――――――
『大斗くーん!久しぶりじゃん』
『舞ちゃん…痛い』
恭次の母、舞がテンション高く大斗を叩きながら挨拶。
『おぃ!!ババァ!今大斗は病だから余計なちょっかい止めろ!!』
『えーっ病ってなにぃ?』
とふてる母。
『てゆうか…きょうちゃん♪紹介なさい!!このイケメンを♪』
その隣で同じようにハイテンションの
『お母さん…あのねぇ』
南深の母、瑠璃。
呆れた南深の突っ込みはあっさりスルーされた。
『中学からの友達、大斗だよ』
恭次が紹介する。
『中学からなの?舞が知ってて、あたしが知らないなんて…悲しいわぁ!!いいなぁイケメン♪』
『瑠璃さん?どうも初めまして、神崎大斗です』
とにっこり。騒がしい状況により、いつもの調子が少し出てきた様子?
『よろしく♪瑠璃です♪今度デートしてね』
大斗と握手の瑠璃。
『お母さん…』
「いい加減にして…」と南深
『みぃ♪大斗くんカッコイイね♪さすが恭ちゃんの友達だけあるわぁ!』
瑠璃が楽しそうに言う
『はぁ…』
最早言葉の出ない南深だった。
『瑠璃ってばっあんまり、うちのバカ息子をいじめないでっもぅ!!コイツったらダサいら、今まで怖くて、みぃちゃんにイケメン大斗くんを会わせたくなくてねぇー。ちっちゃい男なのぉー!!』
と恭次を見ながら笑いを堪えている母、舞。
『うるせぇババァ!!』
『大丈夫なのにねぇ♪うちのアホ娘は今も昔も恭ちゃんしか見てないって♪』
舞とは馴染みがある大斗だったが、強烈っぷりは進藤母も負けてないと思う彼であった。
そして夕食時、南深と恭次の家族も帰宅し、賑やかな食卓を囲む。
家族…かぁ
『そういえば、あんちゃんと夕陽ちゃん元気?』
瑠璃が南深に問う
夕陽…かぁ…
『元気だよー♪』
夕陽…
がくぅ。。。
お腹が満たされたのもあり、賑やかな環境に疲れてきたのもあり…
何より、夕陽の名前が出たので…
再びがっくりと机に頭を降ろし、萎んで行く大斗。
『瑠璃ちゃん…今、地雷を踏んだ…』
恭次は再び呆れ顔。