あかねいろ

きっと仕舞ってあったのにどっかから引っ張り出したんだ…


今までこの部屋で、見たこと無かった


なんか…場所に物凄く似合わない…


倒れているそれを拾い上げて、そっとベッドに置いた。



片付けが終わった頃はすっかり夜になっていた。


『はぁ…』


またため息

駄目だ…


あたし…

逃げてる…


これじゃぁ、拓ちゃんの時と一緒だよ…


一緒…?

拓ちゃんは好きだった人…


じゃぁ…

大斗は…?



ねぇ…?

拓ちゃん…

あたし…

本当は…



!!




夕陽は大斗の家を飛び出した。


急いで自分の家に帰ってくると机の引き出しやクローゼットをひっくり返す。



確か…昔の携帯が…っ


ガラガラガラーッ



あった!!


もう3年ほども前に使っていた携帯。

急いで充電器にさした。


メモリー00


家の電話で発信する



ねぇ…

大斗…

あたし、大斗に…



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