あかねいろ

陽が落ち始める…

真夏の風が心地良い…


序々に染まっていく空…

世界が変わる…

そんな瞬間…


やっぱり、ここはなんて居心地が良いんだろう…


広がるオレンジ…茜色



夕日…

ゆうひ…


おい夕陽…




俺はやっぱりお前に会いたい。





お前の…

声が聞きたい



バカみたいな事、沢山して

それで、いっぱい怒らせたい

膨れる顔、見たい



それで…

涙だって見たい

悲しませたくないけど…


結構、お前の泣き顔…嫌いじゃない

思いっきり泣くからさ

できるだけ悲しくない涙を…

そんな顔を…見たい




そしてやっぱり

いっぱい笑って欲しい…

いっぱい、笑わせたい


誰よりもお前の笑顔が一番可愛い

何よりもお前の笑顔が一番温かい


一番…好きなんだ

その笑顔で腹一杯な気分になれるんだ





近くで…

飽きるまでお前のコロコロ変わる表情をずっと見ていたい。

でも、きっと飽きる事なんてない

それ所か、もっともっと見たくて、

傍で見たくて…


沢山見せて欲しいから…


俺の隣に居て欲しいんだ…


どうしたら伝わる…?


結局、何にもわかんないまんま…

考えても、なんかわかんないんだ。


ただ俺の身体は…

お前に触れたい…

お前にだけ触れていたい…

あぶねぇな俺。

もう笑えるっ。



真っ暗を照らしたのは

煌々と照らしたのは


いつも夕陽だったんだ。



思い出されるのは夕陽の顔ばかり…

あいつ…何やってるかな…

謝らないと…な。


泣いてる…?

怒ってる…?

少しでも気にしてくれているだろうか…

だっせぇ、俺。

勢いで家出して、どこの子どもだ…

何やってんだよ全く。



はぁー


『腹減ったなぁー…』



結局この4日、お好み焼きとビールとつまみしか食ってねぇ。

どこのオヤジだ…っ



『大斗?』



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