だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
どのくらい、時間が経ったのか…



泣き腫らした顔を、互いに見て、今度は、二人で笑った。



「恵、傷は?」

「大丈夫…。本当に、擦り傷だから」


どれ?と、私は、恵の腕を見た。

恵の腕には、ウッすらと血が滲んでいただけで、擦り傷程度だった。


「良かった…」
私は、ホッと胸を撫で下ろす。


「ゴメン…」

「良いよ、もう…」

「死にたい位、好きだったのに…。だから、死のうと思って手首を軽く切ってみたの。そしたら、少しの傷なのに痛いの。痛くて痛くて…」


私は、恵の話を黙って聞いた。


「赤い血を見た時、なんてくだらない男の為に、私は死のうとしてるんだって、思ったらそこにちょうど、恭子が居て…。なんか、嬉しかった。なのに、意地張っちゃってゴメンネ…」

「いいの。もう、済んだことよ」



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