だって、女なんだもん… 仕方ないじゃん!
「恵?恵、居る?勝手に入るよ!」
玄関のドアを開けた。

カギは掛かっていなかった。

すんなり、開くドア。

部屋の中で、恵がうずくまっている姿が見えた。


「恵っ!」

慌てて、駆け寄った。

近寄ると、恵がナイフで手首を切る所だった。


「恵っ!何バカな事してるの!」


私は、恵からナイフを奪い取る。

「離してっ!」
恵も、ナイフを奪われない様に、必死に抵抗する。


「バカッ!バカバカッ!」

「何よっ!バカバカって!」

「バカにバカって言って、何が悪いの?恵は、バカよ。バカも大バカよ」

「うるさいっ!」

「何度でも言いうわよっ!バカッ!勝手に死ぬなんてバカよ!」



私は、恵を抱き締めた。

そして、二人で泣いた。


子供みたいに…

ワンワンと…


私は後にも先にも、激しく泣いて涙を流したのは、この日だけだった。



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