魔王さま100分の1
だが、許されないなら強引に突破すればいい。

あの塔と壁に空に対する防御が施されているのか、どうか?

……帰ったら魔王さまに訊いてみよう。

知らん、の一言で返される気も多分にするがそれはそれ。

自分にできることは全てやっておこうと決めてある。

やはり金を払ってでも中に入ってみようか。

それで、巨鳥を扱う業者と知り合って……。

考え事をはじめるシルキス。
そこに、一段と大きな羽音が降りてきた。

轟音と暴風。

吹き上げられた砂から目を守った腕を下ろすと、ニ頭の巨鳥が新しく群れに加わっていた。

その背から騎手達が降りてくる。

「おおおおおっ」

わきあがる歓声。

降りてきた二人の騎手は、男女のエルフだった。

人間達の伝承に違わぬ美男美女。
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