魔王さま100分の1

「なんですか?」

「魔族の発声を教えてやる。一番キツイやつをな」

息を吸う魔王さま。

シルキスが逃げる前に、超高音のウルトラ甲高い不思議声を出した。

「ぎゃああああああああっ」

その日、シルキスは美味しくご飯を食べられなかった。

魔王さまは、その後も書き取り練習を続けたが、3日頑張ってあきらめた。

「魔王さま、それいいです。本当に可愛いです。本当です」

その間、シルキスは傍でそういい続ける羽目になったという。




──魔王さまとペン

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