だって好きなんだもん!(Melty Kiss バレンタインver.)
20.好きなのに!
中学受験は、さして問題もなく終わることが出来た。
あれで落ちているとしたら、内申書に問題があるか、わたしの身元がバレたとしか思えないわ。

日曜の夜は、パパも戻ってきてくれて二人でささやかなお祝いをしたの。
小さなレストランで。


「明日から、学校に行ってもいいわよね?」

むしろ、これ以上休むほうが不自然じゃないかしら。
わたし、今日試験会場で青山くんを初めとして、何人かの同じ学校の児童に出会ったもの。

「いいよ。
決してこのネックレスを外さないって約束してくれるなら、行かせてあげても」

のんびりした口調で、さらりとポケットから宝石箱を取り出す辺りがこう、女性慣れしてるっていう雰囲気を醸し出している。

わたしに渡すネックレスでさえ、ブランドにはこだわるのね。
耳にしたことがあるブランドの名前が書かれた宝石の箱をゆっくりと開く。

「うわぁ、綺麗」

小さいけれど、キューブ型にカットされたダイヤモンドがついていてきらりと光るの。

「本当は可愛いから外側につけて欲しいんだけど、冬の間はブラウスの下につけておいてね。
脱ぐことなんてないでしょう?」

体育のときはジャージに着替えるけれど、それでも十分に隠せる。

「分かったわ。
どうせこれ、発信機でもついてるのよね?」

「都ちゃん、そういうつれないこと言われるとパパショックだなぁ」

やれやれ、と。
芝居じみた仕草で淋しそうに肩を落とすパパ。
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