白雪姫を襲った実母と白雪姫の争い
どのくらいの時間がたっただろう、実母の身体がみるみるうちに灰と化していった。

白雪姫は台へと昇り、その灰を掬い上げて言った。


「あぁ、お母様。ご自分がこんな姿にならなければいけないなんて、きっと、思ってのみなかったのでは?」

そしてこう付け加えた。

「ふふふっ。可哀相なお母様…」


実母の灰は白雪姫の意志により小さなガラス瓶の中へ入れられ、
白雪姫の寝室へと飾られた。

白雪姫はその灰を1日に1抓み取り出しては窓から外へ放り投げた。


その度に

「暖かくしてゆっくりおやすみなさい。世界で1番綺麗なお母様・・・」
と言うのだった。

しかしそんな白雪姫を誰も咎(トガ)めようとしなかった。
< 3 / 10 >

この作品をシェア

pagetop