Requiem.
闇の真ん中




ヒトはどんなに深い傷跡だって

いつか塞がること
本当は知っているから


愚かなほど無防備に

全力で何かに向かって


傷ついていけるのでしょうか?



僕は誰かを

何度だって

傷つけてしまうのでしょうか?




季節の移ろいに身を委ねて

流れるように生きていけたら……



痛みなど知らずに
過ごしていけたでしょうか?




孤独も幸福も

君の温もりが無ければ

僕は知らずに今も笑ってた





闇を泳ぐ


ゆらりゆらり

漂うように




ごまかすことはきっとたやすい




何も望まなければ

愛しさの裏側を
知らずに済んだのに





降り頻る雨を
鮮やかな虹に変える強さを

歪んでいてもいいから

欲しかった――





僕は酷く空っぽで

ここから動けなくて

前なんか向けなくて



――ずっと

立ちすくんでる――






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