Requiem.
失うよりも……





誰かに向かって
笑顔をこぼす度に

胸の痛みが僕を責める



失った一部を何かで埋めて

何でもないことで
笑ってる自分に

どうしようもなく苦しみながら



何処かで

仕方ない

と諦めてる僕が


小さな群集の中で
ため息を落とす




薄れ行く悲しみは
僕達の哀しい性だと

君は何処かで
笑っているのでしょうか?




君の居ない痛みを
忘れることが

君が居た場所を
誰かに埋められることが

君の居ない日常が
当たり前になってしまうことが


僕にとっては
何よりもの脅威で



止められない自分が

情けないほど無力だ





何よりも残酷で

何よりも切ないことは


失った痛みよりも


痛みを忘れたその足で

再び歩き出すこと――









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