桜が舞う頃に
「優也ッ!!待てよッ!!!」
翔がいくら優也を呼んでも美衣はその手を外さなかった。
気がつくと、あたしは走り出していたんだ。
「。。。。。ここ、どこだろ。。。。」
冷静を取り戻しあたしは辺りを見回す。
知らない景色が広がっていた。
どっちから来たかもわからなかったんだ。。。。



「夏凜ッ!!!!!」
聞き慣れた声がした。
「萌ッ!!!!!」
萌がものすごいスピードでこっちに向かってくる。
「ビックリしたよぉッ!!!!!!」
息を切らしながらあたしの肩をがっちりつかむ萌。
「ゴメン。。。。」
「みんな、心配してるから戻ろうよ??」
「。。。。。嫌だ。。。」
「夏凜。。。。」
「やだよッ!!!戻りたくない!!」
「夏凜っ!!落ち着いて!!」
「いやぁ-!!!!!!」
悲鳴に近い声を上げてあたしは意識を失ったんだ。。。。。



夢を見た。
美衣と優也があたしの目の前にいた。
「あたし達、付き合っているの♪」
「俺から告白したんだ。。。」
仲良く手をつなぎラブラブっぷりを見せつけられる夢。
「嘘。。。だよね??」
夢の中であたしは泣いていた。
「嘘じゃねぇ-よ」
「こんなにシアワセなのに嘘なんて言わないって★」
満面の笑みを浮かべピースをする美衣。
嫌だ。。。。
そのうち、二人は手をつないであたしの前から消えたんだ。
あたしはその姿を黙ってみていた。。。。

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