透明図
それがその人の設計図だとわかったのは中学になってからだった。
いつの間にかはっきりとした実態を持ったそれからは、その人の歩んできた道のりを見ることができた。
その人の想い、思い出、暖かな物、言葉にならないものが、様々な色合いをもって表現されていた。
そう、それはまるでその人の成り立ちを指し示すように、その人を形成してきたものを教えてくれるように。その人のこれまでを表してくれる。

私は、それを心の設計図と名付けた。

そう、それは確かに心の設計図だったから。
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