ドラム女の過去~不良のあいつ~
階段の最後の段を上がろうとしたとき
前の陸也が立ち止まる。
「どした?」
秋は後ろから顔の覗きこむ。
すると 陸也が秋のほうを振り返る。
「・・・・・あのさあ」
陸也は真剣な目つきで秋を見つめる。
「何?」
「・・・・・俺の好きな人知りたい?」
すこし間が入る。
秋の心臓はいっきに高鳴る。
ドキッ
ーえ・・・・・
「知りたい・・・・・」
秋はこの先にあるかも知れない後悔と悲しみを捨てて
今の希望にすがりついた。
そして彼は続けた。
「・・・・・・・深川だよ」