生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「タツキのお父さんと雄太郎のお母さんはどうかしてると思うわ。

だいたい、不倫する理由がわけ分からないもの。
バレるか、バレないかの間でのスリルが味わいたいわけ?」

「それで?」

「まぁ、そんな二人はもう後戻りなんてできないのだから、あぁだこうだ言っても仕方ないと思うのよ。

でもね……。タツキのお母さんって改めて尊敬したわ」

「…尊敬?」

「そう。尊敬。

だってよ?雄太郎は、タツキのお父さんの子供ではあるけど、お母さんの子供じゃない。
なのに、長谷川家の敷居を跨がせ、タツキやお姉さんと同等として接したんでしょう?

……私なら絶対無理よ」

 淡々と述べる千紗は、なんだか大人っぽい。

 確かに、俺と涼は歳の離れた弟ができた、と喜んでいたけど、きっと母さんは複雑だったんだろうな。

 自分とは血の繋がらない子供がいる。

 でも、半分は父さんの血。

 父さんが不倫してたってだけで悲しいだろうに、子供までって……。

 結構、堪えただろうな……。


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