生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「タク。雄太郎、起きないんだけど」

「ん?……コイツ。馬鹿なくせに余裕ってことか?」

「そんなこと知らないわよ。いいから、起こして。
赤点取られたら卒業式の準備とかその他もろもろ私達でやることになるのよ?」

「俺らより使い物にならない奴らにこき使われるのは御免だな」

 “俺らより使い物にならない奴ら”って、きっと先生方のことよね。

 別に、反論する気もない私は「えぇ、そうね」と、返事をしようとした時、ガツンと鈍い音が響くと同時に、雄太郎が飛び起きた。

「い、いってぇっ!!!?」

「うるさい。黙れ、カス」

「タクが悪いんだろーっ?!」

「寝ているお前が悪い」

「っていうか、殴ったよね?!しかも、グーでっ!!?」

「さぁな。ただ、俺の握り締めた拳が重力に従い落下して、林の頭にあったただけだが」

「それを、グーで殴ったって言うんだよ!!」

 タクは、スッと雄太郎の頭上に握りこぶしを浮かばせた後、少し上に持ち上げてそのまま振り下ろしただけじゃない。

 何が問題なのよ。

 だいたい、寝ている方が悪いと思わないのかしら?


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