生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜
「雄太郎、うるさいわよ。少しは、ミドリを見習ったらどうなの」
「千紗ぁー!!だって、グーで殴ることないと思わない?!」
「何度、言わせるつもりなの?うるさいのよ。ミドリに迷惑」
「………ミドリちゃんが、勉強してる」
「当たり前よ。学年末のテストを勉強しないで切り抜けようだなんて考えているのは、雄太郎くらいじゃないの?」
雄太郎から教科書へ視線を移しそう諭せば、危機感を感じたのか「……そう、だね」と、なんだかしんみりとした返事が返ってきた。
まぁ、勉強してくれればいいのだけど。
雄太郎がやっと勉強をし始めたと思ったら、勢いよく扉が開き、能天気な声が気持ちが良いくらいに通った。
「あれ?みんなして、オベンキョ?」
ふざけてるのかしら?
一教員よね?タツキって。
それに元塾講師なんだし、学年末のテストがどれだけ大切なのかってことくらい、口うるさく言ってたんじゃないの?
私はタツキを一瞥した後、何もなかったかのように、ノートにシャーペンを走らせた。