生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


「[やぁ、千紗。僕からのプレゼント、気に入ってくれたかな?
別に、千紗にあげても良かったんだけど、有り難みを感じてほしくて。
『僕に逆らっちゃいけない』って昔から言ってるでしょ]」

「何だよ、これ……」

「佐野、よ。……どうしてっ」

「……笠井、大丈夫か?」

「う、ん…。少しビックリしただけだから。ヒロっち、ありがとう」

 苦しめるなら私だけにすればいいのに、どうして、アイツはっ。

 私の大切な人を傷つけるのよ!!

「……んでっ。なんでよ!!傷つけるなら私だけにしなさいよっ。
どうして、私をじわじわと苦しめるの?!」

「千紗、落ち着いて」

「落ち着けるわけないじゃないっ!!また、ミドリを巻き込んでる張本人は私なのよ?!
……私の大切な人を傷つけられるなら、私はなんだってするわ……」

「ちぃっ……」

 背後からの小さな温もりは、私の頬を濡らすのに十分過ぎて。

 グニャリと視界が歪み、ぽたりぽたりと床に丸い円が描かれていく。


< 255 / 361 >

この作品をシェア

pagetop