生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜



「タク遅刻よ?」

「担任に捕まったんだ」

「それより、さっき言ってたことって先生方は知らないわよね?」

「当たり前だ。そんな堂々と喫煙者など記せるか。喫煙者欄を除いたモノを提出してある」

「村上先生は?」

「そいつが発案者だ」

「美羽子センセーが考えそうなことだよね……」

 村上美羽子(むらかみみわこ)、この生徒会の顧問をしている。

 一風変わった先生で、生徒会メンバーの私達が困ることを要求してくるような人間。

 例えば、あの予算会議の後いきなり現れたと思ったら「確認し終わったらパソコンにデータ移しといてねぇ?」などふらりと生徒会室に訪れて無理難題を押しつける。

 無理難題というよりか情報の伝達が遅い。
 始めから言ってもらえば、確認と同時進行でできただろう。

 それでも村上先生は憎めない。

 そのふんわりと包み込まれるような性格からなのか、人格からなのか……。

「あらぁ。みんな集まってるわねぇ」

 噂をすれば、村上先生の可愛らしい声が聞こえてきた。

 少しふっくらとした小柄な体格に、肩にかかるくらいのふんわりウェーブの黒髪。

 見た目からは分からないが、今年で27歳とか。

「村上先生、今度は何考えてるの?」

「あら、千紗ちゃん嫌そうね?」

 クスクスと口元を隠しながら笑みを零す様子からしてろくなことはなさそうだ。




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