生徒会長に任命します!〜会長だって恋する乙女?!〜


『えー。昨日、退職なされた村上先生の代わりに新任の先生に来ていただきました。

では、紹介したいと思います』

 カチッとマイクの電源が切れた音が聞こえたと同時に、若い男性が壇上に上がっていく。

 黒の細身のスーツに少し伸びた黒髪。

 男の先生か………。

 って、はぁ?

「は?意味分かんない」

「ちぃ?」

 ちょっと待ってよ。
 何?なんなの?

「私、視力良いわよね?」

 そうよ。私、両目1.2だもの。見間違えるわけないわ。

「どうしたの?」

「似てるのよ。っていうか本物?」

「誰と誰が?」

「あの先生とタ」
『今日からこの学校に配属になった長谷川 樹(はせがわたつき)です』

「ハセガワタツキ?って、え?タツキって!」

「ウソでしょ?」

「ちぃ、大丈夫?」

「だ、ダメかも……。私、保健室行く」

「あ、うん。終わったら行くから」

 もう、ダメ。

 あー、頭がガンガンする。

 何?夢?

 夢なら今のうちに覚めてくれ。

 ふらつく足元に力を入れ保健室へ向かった。





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