時には、こんな始まり方も
結局ホテルに来てしまった。



だけど、どうしてもベッドには近寄り難くて、ソファーに座って深夜番組を観てみた。



が、落ち着かない…。




「俺、シャワー浴びてくるわ。」

「え?…うん。」


俺は耐えきれず立ち上がった。

雫の返事もなんだか曖昧な感じで、二人共ぎくしゃくして、緊張しているのがよくわかった。





落ち着け、落ち着くんだ。

頭からシャワーを浴びて、自分に言い聞かせる。


せっかく雫が勇気を出して誘ってくれたのに、どうしてもそういう雰囲気に持っていく事が出来ない。


俺は悩んでいた。


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