チョコと焼酎~   st.valentin



「えーっと、さて、どうでしょう?


てか、私のことより、柴田の彼女よ!


ウチに来てていいの?」



竜二が、私の顔を覗き込む。



「オレ、彼女いないっていったよな?」



顔、見られたくないって。


眠いふりして、テーブルに顔を伏せる。


「それは、去年のことでしょ。


今は、いるんじゃないの?


さっき、バイクに乗せてたじゃん」




あー、もう、やだなぁ。


これじゃ、ヤキモチ焼いてます!って言ってる様なもんじゃない?


「香坂は?


カレシできた?」



何で、私の事ばかり気にするの?


自分に彼女できて、私にいないと、のろけ話が、し辛い?



じゃあ、出来たって言ったら聞きたくない話し聞かされるんだ。


それは、イヤだ。



いないって、言ったら?


今のままでいてくれる?



私は俯いて、首を横に振るしかなかった。



上手なウソも思いつかない、バカな女です。


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