チョコと焼酎~   st.valentin



シチューの野菜が軟らかくなった頃、竜二がやってきた。


珍しく、お酒を持って。


「ほい、ウチの地元の日本酒だ」


あー!

これ、美味しいんだよ!


テンション、上がりまくり!


「ありがとう!

これ、大好き!」


早速開けるか!


瓶にかけた手が止まる。


いや、今日はやめとく?


酔った勢いで告った、とか言われたくないし。

うん、とりあえず、今はやめとこ。


顔を上げると、竜二と目が合った。


「キモいぞ。

酒見ながら百面相か?」


お腹抱えて笑ってる!

「もー、うるさい!」

そう言いながら、私もつられて笑った。


やっぱり、これだ。


私達は、こんな風に笑い合える。


一緒にいるのが、心地好い。


「それと、シュークリーム、冷蔵庫に……」

「あっ!私が入れとくから、はい、シチューにルウ入れて」


生チョコは、まだ見られたくない。

今日は、竜二を冷蔵庫に近付けない様にしなきゃ。


「次は、オムライス作りま~す!

あんたは、シチュー混ぜてて」


竜二は、今、楽しいかな?




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