*制服のボタン*I love it forever*
そもそも、噂のある俺の事も知らない女。
男の羨望の眼差しと、噂を真に受けた男の、好奇の視線にも動じない。
ただの鈍感なのか、高飛車なのか…
あれは…ただの鈍感だな…
さっきの男慣れしない慌てる姿が目に浮かぶ。
誰かと付き合っちゃうか…
女に告った事のない俺が、どうやって自分に振り向かせていいかわかるはずがない…
「なぁ…卓…お前はどうやって告った?」
こんな事を口にした卓が一瞬、驚いた顔をした。
「俺は、素直に好きだって言ったよ。振られたけどな…」
そう言って切ない顔をした。
「悪い…思い出させたか…」
卓は噂の女、沢村 凜花のツレの女が好きだった。
ちょっと前に告って、振られたらしい…
卓を振る女なんて大したもんだ。
さすが、噂の女のツレって感じだな…
そもそも、卓が好きになった女を見ろって言われる度に、視界に入って来る噂の女。
それがきっかけで、いつの間にか目で追う様になったんだ。
それが好きって気持ちだと気付いたのは最近だけど。