500年の復讐


「――お名前は?」
 彼女の前に座る私に聞いてきた。
 今日は春の陽気のせいか、いつも空いているカフェにお客が入っていて、結局席は無く私の前に座った。
「ベンジャミン・バーカーです。理髪店を営んでいます」
「バーカーさん?私はルーシー・ホイットマンです」
 私達はすぐに打ち解けた。とても気が合ったのだ。
 彼女は満足そうにミルフィーユを口に入れた。私は嬉しそうな彼女に、
「そんなに人の名前が聞けて嬉しいんですか?」
「こんな天気の好い日にあなたのような方に会えてとても嬉しいんだもの。それにこんな珍しい出会い方だし」
 私も頷いた。
 彼女はとても可愛い人だ。






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