500年の復讐
神父
「さぁ、もう人は来ない。これで2人だけで話が出来る」
そう言って扉に内側から鍵をかけた。
「まぁ、とりあえず座りなさい」
彼は満面の笑顔で振り返り、言った。彼はいつも笑顔だ。
しかしその傍ら、内では何を考えているのか分からない。顔だけの紳士。
私は其れが怖い。
私が座るのを見ると、通路を歩きマリア像の両脇にある蝋燭に火を灯した。火は心細くしかしこの冷たい何もない空間に風を通した。
白いマリア像の背の壁には七色のステンドグラスがあり、壁はそれに覆われているが、今日は天気が悪いせいか、何の輝きもない。まだあれば中和されたものを。
神父は私の前に座った。それを確認し、本題に入る。
「それで神父様、話したかったといますが、それはなぜ?」
彼は一息吐き、
「私は貴女に、何か秘められたものがあると感じていました。他の子には無い、何か不思議な魅力を」