500年の復讐
「それで、神父様は何を話したかったの?それだけ?」
「―――――え、えぇ、話そうとしたことはありましたが、歳のせいか忘れてしまいました―――」
そんなの言い訳だ。もともとなかったのだろう。
ただ単に私がこれから怪しい動きをしないか、それを確かめたかったのだろう。
「気を悪くしたのなら謝ります。それに時間を無駄にしてしまったし――――」
「いいです。結構です。私、そろそろ行きます。手続きも終わっただろうし、お父さんも待っているだろうから――――」
そう言い残し立ち上がり、ドアの前に立つと、
「貴女があの樹の前で泣いていたの、実はあれの下にはサーシャさんが眠っていたのを思い出したのでつい声をかけてしまったのです。貴女の少し大人びたところはつい―――一人の女性と見てしまいました」
まだ言うかこの神父。ふしだらな。
「俗世から離れた身なのでは?少し気が抜けてるんじゃなくて?それに」
私は顔だけ振り向き、
「私は本の中にある"死んだ"サーシャじゃないわ。"今生きる"サーシャよ」
彼はただ、私を虚ろな目でしか見るしかなかった。
私はそう言い残し、ドアを開けた。