500年の復讐


 ――――――――――

 彼女はそう言い残すとドアを力一杯開けて出て行った。私は一人残された。
 私は深く息を吐き、顔を両手で覆った。
 
 怖かった。
 彼女と話していると、終始息が止まりそうだった。
 まるで私の中を全て見られているようだった―――。

 私はなぜあんなことを彼女に聞いたのだろう?よく覚えていない。
 しかしあの言葉、やはり彼女なのだろうか?
 蘇りとは存在するのか?
 この国には今も一応魔術というものは存在するが、そういう類のものなのか?
 ―――――――――私は本当に何を聞きたかったのだろう?よく分からない。

 しかしこれで終わった。
 終わったのだ。もう彼女が此処に来ることはないだろう。
 あぁ、ない。



 本当に終わったのか―――――?


  
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