500年の復讐


 魔女の亡骸は聖木の下に埋め、亡霊を甦らせないようにする。棺桶を土の穴に入れ、聖職者達は十字を切って祈りを奉げている。その後、聖木の苗木を植え付け、聖水を掛けた。
 異端審問官はその様子をじっと見ていた。何かを言いたそうに、しかしそれを抑えるように口を固く結んでいる。

 聖職者達は祈りを終え、立ち去った。

 異端審問官は動かなかった。

 何かに抑えられるような、時が止まったように。

 しばらくすると、名残惜しそうに何度も振り返りながら、立ち去った。





 
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