500年の復讐


 洗濯が終わり、門までの細い道を辿っていると、シスターが母親から赤ん坊を譲り受けている。
 新しい『ここ』の子供。
 母親はつぎはぎだらけの服を着て、頬がこけている。
 通りかかると赤ん坊は私を見つめている。
 嫌い。そんな純粋な目で見つめないで。
 顔を背けると突然赤ん坊がぐずり出し、泣き出した。
 子供には分かるのだ。人の本性が。そして私のも。
 私だってこんなこと望んだつもりはない。
 でも仕方ないのだ、人というのはこういうものなのだから。



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