500年の復讐
路地裏の実験
「サーシャ、この紙に書いてあるものを買ってきてくれない?」
洗濯をした子供達の洋服を広げ、洗濯紐にかけるところにシスターがやって来た。
シスターから受け取った紙に目を通し、
「―――分かりました。それじゃあ行ってきます」
「ありがとう。洗濯終わった後でいいから」
そう言い残すとそそくさとサーシャの前から姿を消した。
エプロンのポケットに紙を入れ、仕事に戻る。
この孤児院は寄付によって賄われているが、この不景気。毎日のように新しい子供達がやってくる。シスター達だけでは足らず、こうしてサーシャのように大きな子供達がシスターの手伝いをしている。
サーシャの場合、それだけではなかった。
彼女は他の子供達と何か違う雰囲気をまとっていた。口数が少なく、陰気な表情―――そのせいであまり好かれていなかったのだ。