【短集・ホラー】白紙の小説


画面の右下の
怖い画像が
どんどん どんどん

広がってきた



キリキリキリキリ
キリキリキリキリ
キリキリキリキリ

鳴り止まない
鳴り止まない
鳴り止まない



耳鳴りはだんだん
更に激しくなり

画像はだんだん
更に広がって


画面一面に
画像が広がった



キリキリキリキリ
キリキリキリキリ
キリキリキリキリ

やめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ

助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ



パソコンから
画像には不似合いな
軽快な、可愛らしい

遊園地に流れていそうな音楽が流れた



キリキリキリキリ
キリキリキリキリ
キリキリキリキリ



何かの視線が
背後にある


汗でぐっしょりになった体が、勝手に動き


うしろを
向いた





画像が

目に焼き付いていた




耳鳴りと
軽快な音楽が

耳に張り付いていた










耳鳴りがあったら
ご用心

特に1人で居る時は


背後にも、ご用心








…………Fin



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