【短集・ホラー】白紙の小説


恐ろしくなって、俺はパソコンの電源を何回も押す。

だが、それも無意味で、何も起こらなかった。



するといきなり、画面に先程見た怖い話のサイトにあった画像が出てきた。


「わ…っ!!!」



それはほんの小さなサイズで、真っ暗な画面の右下にある。


「…………っ」


汗がダラダラと流れ落ち俺は直感した。




"逃げろ!!"


そんな考えが
頭に浮かんだ時だった




「!!?」




キリキリキリキリ
キリキリキリキリ
キリキリキリキリ


酷く激しい
耳鳴りが、した




「っ」

声が、出ない
息が、苦しい
体が、動かない


誰か誰か誰か誰か
誰か誰か誰か誰か
助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ


体は硬直していた
目線を逸らしたいのに
無理だった


動かせない目線は
パソコンの画面に
向けられている



怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


息がうまく出来ない
ダメだダメだ
ダメだダメだダメだ



その時



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