オバサンだって恋したい!!
そうだ、早瀬係長と拓也は何を話していたのだろうか?



私は何も覚えていない。



「拓也私どうしたの? 」



「いつもの貧血を起こしたから、俺が抱いて車に乗せた。どうせ覚えてないだろうけど。」



そう全く覚えていない。気がついたら家の前だった。



「拓也、早瀬係長は?」



「知らないよそんな奴。」



知らないって、二人で睨み会ってたのに。



「早瀬係長何か言ってなかった?」



私は恐る恐る聞いてみた。


「だから、何回も言わせないで、あんな奴の事思い出すだけでも腹が立つ。」


かなりご機嫌が悪い様子。


今日は大人しくしていよう。



「美園風呂に入るといいよ。」



拓也は私と二人だけの時、絶対お母さんとは呼ばない。いつも美園と呼び捨てだ。



「ねぇ拓也、前から言おうと思ってたけど、私の事美園って呼ぶの止めてくれないかな?親子なんだし、母さんでいいよ。」



拓也が振り向いた。



「どうして今さらそんな事言うの?あの男のせい。」



拓也の顔がなんだか怖い。



さっきは知らないと言った、早瀬係長が出て来るんだろ。








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