オバサンだって恋したい!!
先週開店したばかりのクレ葉ウォークは、かなり混んでいた。




「美園迷子になるから、俺の腕に手を絡めて!」



無理矢理手を引っ張られる。



ほら、早くって急かされ拓也と腕を組んだ。



ショウインドウに映る、拓也と私はまるでカップルみたいだ。



「美園俺たち絶対にカップルに見えるな。」



拓也なんでそんなに嬉しそうなの。



拓也の友達に会うかも知れない。



母親と腕組んで嫌じゃないのだろうか。



私が組んでる手を離そうとすると、「駄目だよ。腕組むの嫌なら、手を繋ごうか?」



拓也が私の手を握って離さない。



「美園と手繋いで歩くの久しぶりだね。」



そうだね。



子供の頃いつも手を繋いで歩いた。



ああ、それと同じなんだ。


「拓也懐かしいな子供の頃思い出すね。」



拓也は何も言わない。



握られた手に力が入る。



拓也どうした?








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