片思い彼氏scene.バレンタイン
「昨日電話で話して…輝の気持ちを聞いたの。私も輝も今まで、お互いの気持ちをちゃんと聞こうとしなかったから…」
「…………………」
「たくさん、ごめんって謝られてね…だけど怒るとか悲しいとかそういうのより、本当に輝が好きになった子が羨ましくなった…」
――井ノ上君が好きになった人って……
茂里さんは知らない…よね
「半端な気持ちで好きって言えない事だよね…だから、もう私は逃げないで現実を受け止めたの…そしたら自然と私の口が『バイバイ』って言ってた…」
そういう茂里さんはこの間のような表情じゃなくて、晴れた顔をしていた。
「ごめんね、呼び出して。なんか弥生さんにはちゃんと全部話しておこうって思って…」
「私にですか…?」
じっと私を見つめてる茂里さん。
――茂里さん………?
「……ううん、それじゃあね」
茂里さんがベンチから離れた。